SDGs17目標ーサクラ新聞連載

2024年2月から2025年10月にかけて、サクラ新聞でSDGsに関する連載を行いました。毎月1つずつSDGsの目標を取り上げ、全17回にわたってすべての目標について執筆しました。毎回、作りためていた自作のクイズを前に「これかな、いやあれかな」と一人ブツブツ言いながら4問を選び解説文にまとめていく作業は、とても楽しい時間でした。こうした機会を与えてくださり、そして毎回紙面に大きくきれいにカラー印刷してくださったサクラ新聞の皆様に心より感謝申し上げます。この連載を通じて、少しでもSDGsに関心をもっていただけた方がいらっしゃれば、これ以上の喜びはありません。一年半と長い間ご愛読いただき、本当にありがとうございました。

2024年 2月号 5月号 6月号 7月号 8月号 9月号 10月号 11月号 12月号

2025年 2月号 3月号 5月号 6月号 7月号 8月号 9月号 10月号

【SDGs17:パートナーシップで目標を達成しよう】編

サクラ新聞第368号はここから

クイズ

クイズのこたえ

解説

SDGsの17番目の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」は、世界中の国や人々が協力し合い、SDGsを実現していこうとするものです。特に、資金や技術が不足している開発途上国を支援し、国際的な協力を強化することを目指しています。

日本は、支援が必要な開発途上国に積極的に援助を行ってきており、2024年には2.5兆円、国民一人あたり約2万円に相当する資金(政府開発援助/ODA)を拠出しました。この金額は、世界でアメリカ、ドイツ、イギリスについで4番目に多い規模です(外務省)。

例えば日本は、アフリカのブルンジ共和国などで経済インフラの整備を支援し、各国の発展に貢献しています。ブルンジは九州の半分ほどの小さな国で、主な産業は農業で、お茶やコーヒーを生産し、コーヒーはアメリカや日本にも輸出されています。しかし、一人当たりの年間国民総所得は約3万5千円と日本の100分の1にとどまり(外務省)、国民の約9割が極度の貧困状態にあります(U.S. Department of State)。近年は周辺国の経済発展に伴い輸出入品の取扱量が増加しており、今後は国内に豊富にあるニッケル資源の開発が進めば、輸出量のさらなる増加も見込まれています。一方で、輸出入の約8割を扱うタンガニーカ湖沿いのブジュンブラ港は1960年以前に整備されたもので、老朽化が進み課題を抱えています。そのため、日本はこの港の改修を支援することで、物流の改善と経済発展を後押ししています(外務省)(JICA)。

また日本は、ポリオなどの感染症対策にも力を入れています。ポリオはウイルスが口から入り、重い場合にはまひや死につながる病気ですが、ワクチンによって予防可能な感染症です。世界のほとんどの国ではすでに撲滅され、日本でも45年前に根絶しましたが、パキスタンとアフガニスタンの2カ国では未だに根絶されていません。日本は両国でのワクチン接種を支援し、ポリオの根絶に貢献しています(JICA)。

さらに日本は、再生可能エネルギーの分野でも協力を進めています。台風の多い沖縄では、台風に耐えられる『可倒式風車』が開発されています。これは、台風の時期に風車を倒して地面に固定し、強風による風車の破損を防ぐという画期的な仕組みになっています。この技術を活かし、日本は同じく台風の多いトンガに可倒式風車を設置しています。これによりトンガでの再生可能エネルギー導入が進み、持続可能なエネルギー社会づくりに貢献しています(外務省)。

加えて、青年海外協力隊として日本から途上国に渡った人々も、農業、教育、医療など幅広い分野で日本の技術や知識を伝え、国際協力に大きく貢献しています。過去50年間で延べ4万人以上の日本人が現地に赴き、途上国の課題解決に力を尽くしてきました(JICA)。

一方、実は日本自身も、過去に多くの国際協力を受けてきました。終戦直後には世界各国から食料や衣料、医薬品などの援助物資を受け、アメリカからは当時の額で約12兆円の資金援助(ガリオア・エロア資金)を受けました。また、ユニセフからは、ミルクや医薬品、衣料など、子どもの生活や健康を守るために約1,300億円の支援を受け、さらに世界銀行からの約3,000億円の融資によって、新幹線や高速道路、火力発電所など、日本の経済発展に欠かせないインフラを整備することができました。このように、日本は国際協力によって復興と発展を遂げた歴史を持っています(参議院)。

また、2011年の東日本大震災の際にも、日本は寄付金・物資・救助隊など多様な支援を受けました。アメリカからは500億円以上の民間からの寄付、そして約280トンの食料、770万リットルの水、医療物資が提供されました。さらに、在日米軍による「トモダチ作戦」では、2万人以上の将兵、24隻の艦船、189機の航空機が投入された大規模な人道救援や復興支援を受けました。他にも、韓国や中国などから救助隊や大量の物資が届けられ、台湾からは200億円以上の義援金が寄せられるなど、国際社会全体で160を超える国・地域から日本は幅広い支援を受けました。

SDGsには17の目標と169のターゲットがありますが、いずれも一人の力や一国の努力だけでは達成できません。誰一人取り残さない未来を実現するためには、支援が必要な国や人々に手を差し伸べ、世界中の人々が一丸となって協力し合うことが不可欠です。「持ちつ持たれつ」 — 互いに助け合う精神こそが、持続可能な世界を築く鍵であり、その実現のためにも、SDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」は大切な役割を担っています。

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【SDGs13:気候変動に具体的な対策を】編

サクラ新聞第367号はここから

クイズ

クイズのこたえ

解説

7月の日本は、各地で40℃を超える最高気温が相次いで観測され、全国平均気温も観測史上最も高くなり、3年連続で記録を更新するという歴史的に厳しい夏となりました。世界的にも、世界全体の7月の平均気温は観測史上3番目に高く、暑い日が続きました。

実は、日本の気温の上昇率は世界平均よりも高くなっており、日本でのこの異常な暑さの原因は、エルニーニョ現象やラニーニャ現象といった自然現象に加え、都市化によるヒートアイランド現象、さらに地球温暖化が重なったことにあります。とくに地球温暖化によって気温の「ベースライン」が押し上げられ、本来なら「普通の暑さ」ですむはずの夏が、「記録的な猛暑」になりやすくなっています。

温暖化による気温上昇は、生態系にも深刻な影響を及ぼしています。コスタリカに生息していたゴールデン・トード(オレンジヒキガエル)は、気候変動による乾燥で生息地を失い、2004年に絶滅してしまいました。これは、気候変動が直接的に関与した最初の種の絶滅とされています。また、産み落とされた砂の温度によって性別が決まるウミガメでは、砂浜の温度上昇により、性別に大きな偏りが生じています。オーストラリアでの調査では、生まれたアオウミガメのなんと99%がメスであり、繁殖バランスの崩壊が懸念されています。さらに南極では、氷の減少により、氷上でしか子育てができないコウテイペンギンのひなが大量死する事例も確認されています。

農業への影響も深刻です。高温の影響で、お米には未熟米や白濁粒と呼ばれる、内部に隙間ができて白く濁ってしまう粒が増え、品質低下の被害が出ています。さらに、ブドウやリンゴ、トマトでは、高温による着色不良や日焼けが発生し、商品価値が下がっています。こうした影響は、野菜や果物の価格上昇などを通じて、私たちの食卓にも及んでいます。

温暖化のお米への影響(農研機構)

地球温暖化の最大の原因は、私たちが排出している二酸化炭素です。二酸化炭素の排出量は、1900年から現在までにおよそ20倍に急増しました。地球温暖化による被害を最小限に抑えるためには、平均気温の上昇を産業革命以前と比べて1.5 ℃以内に抑える必要があり、そのためには2050年までに二酸化炭素排出を実質ゼロにすることが求められています。しかし、2024年の排出量は378億トンに達し、観測史上最多を更新しました。この現状は、2050年までの実質ゼロ達成に向けて、これまで以上に強力な排出削減の取り組みが世界規模で必要であることを示しています。

地球温暖化が進み、地球の平均気温が4℃上昇した場合、東京では猛暑日が30日、真夏日が60日ほど増加すると予測されています。また、バケツをひっくり返したような極端な大雨の発生頻度も1.5倍に増加すると考えられています。さらに、海面水温の上昇によって台風がより強大化し、「スーパー台風」が日本に接近・上陸するリスクも高まっています。一方で夏季の降水量の地域差が拡大し、水不足や渇水リスクも懸念されています。加えて、日本周辺の海面は平均で約0.7メートル上昇すると予測され、沿岸部の高波や高潮被害が深刻化するとみられています。

SDGs13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」は、二酸化炭素排出量を減らすための「緩和策」と、豪雨・干ばつ・台風・海面上昇といった気候変動の影響に備える「適応策」の両立が重視されています。日本においては、今後は梅雨や台風シーズンにおける豪雨による、洪水や土砂災害のリスクが高まると予測されています。そのため、二酸化炭素を削減する取り組みを急ピッチで進めていくと同時に、災害に対応するために、防災や減災を一層強化していくことが求められています。

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【SDGs2:飢餓をゼロに】編

サクラ新聞第366号はここから

クイズ

クイズのこたえ

解説

現在、世界では、日本の全人口のおよそ6倍にあたる約7億3,300万人が飢餓に苦しんでいます。SDGsの2番目の目標「飢餓をゼロに」では、2030年までに飢餓人口をゼロにすることが掲げられています。しかしながら、実際には、SDGsが開始された2015年当時の約6億人から飢餓人口は増え続けており、飢餓問題の解決は非常に困難な状況にあります。

日本もまた、かつて長い間、飢餓と戦ってきた歴史があります。江戸時代には、享保の飢饉・天明の飢饉・天保の飢饉という三大飢饉をはじめ、農作物の不作によって深刻な食料不足が起こり、多くの人々が命を落としました。その結果、米の価格が高騰し、生活に困窮した町人による「打ちこわし」や、農民が年貢の減免を求めて起こした「百姓一揆」など、各地で民衆の抵抗運動が広がりました。

百姓一揆〈百姓盛衰記〉

一方で、こうした飢饉や飢餓に備えるための知恵や工夫も生まれました。江戸幕府の八代将軍・徳川吉宗は、飢饉対策として関東地方でさつまいもの栽培を奨励しました。さつまいもは、やせた土地でも育ちやすく、収穫量が多く、栄養価も高くて保存もしやすいため、米の代用食として非常に有効でした。実際に、その後の飢饉では、さつまいもが非常食となって多くの人々の命を救ったといわれています。

また、過去の苦い経験をきっかけに、「飢饉にどのような備えが必要か」という意識も高まりました。その一例として、食べられる野生の草花や木の実を調査・記録し、飢饉や災害時の非常食として役立てる研究が進められました。その成果の一つが、江戸時代後期の本草学者・飯沼慾斎によって編まれた『備荒草木図』です。この書物には、非常時に食用となる約400種類の野草・樹木・雑草が図入りで紹介されています。

『備荒草木図』 (国立公文書館)

かつての日本と同様に、気候不順や自然災害によって農作物が不足し、飢餓に陥る地域は、現在も世界中に存在しています。さらに、近年は気候変動の影響も加わり、状況はますます深刻化しています。そのため、SDGsでは食料の生産性と生産量の向上が重要課題とされ、その中で「いも類」の生産も注目されています。実際、徳川吉宗がさつまいもを飢饉対策として広めたように、いも類は少ない資源で多く育ち、栄養価が高く、保存も可能なため、現代においても飢餓対策として有効な作物とされています。このようないもの価値を再認識するために、昨年より国連によって「国際ポテトデー」(5月30日)制定され、世界的な取り組みが始まりました。

実は、飢餓の原因は単に食料不足だけではありません。大きな要因の一つに「紛争」があります。実際、世界の飢餓人口の約6割は、紛争の影響を受けている地域に暮らしているといわれています。紛争は、農地や作物、生活基盤を破壊し、難民や避難民を生み出し、物流や市場機能を停止させます。その結果、地域社会は食料を得る手段を失い、深刻な飢餓に直面します。特にアフリカでは、飢餓人口の8割以上が紛争の影響下にある国や地域に暮らしており、紛争と飢餓の関係の深さが明らかです。

日本も、かつて戦後に約1,000万人が飢餓に苦しんだ時代がありました。そして、第二次世界大戦の影響を受けた子どもたちを救うために発足したばかりのユニセフから、15年間にも渡り、学校給食用の牛乳やパンの支援を受けていた歴史があります。その後、飢餓を克服できた背景には、日本が80年間にわたり戦争をせず平和を守り続けることで、安定した社会の中で食料生産や経済を発展させることができたことが大きく関わっています。このように、飢餓の背景には「食料不足」だけでなく、「平和と安定」が深く関わっているのです。

8月は、広島・長崎の原爆の日、そして終戦の日がある月です。この機会に、世界の飢餓問題という視点からも、改めて「平和とは何か」を考えてみることが今、私たちに求められています。

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【SDGs7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに】編

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クイズ

クイズのこたえ

解説

携帯電話を充電したり、テレビを見たりするときには電気が必要です。私たちが使っている電気は、石油・石炭・天然ガスといった「化石燃料」や原子力によってつくられています。加えて、ダムの水の力を利用した大型水力発電や、太陽光・風力・地熱・バイオマスなどの自然の力を活かした「再生可能エネルギー(再エネ)」でも電気が生み出されています。

しかし、化石燃料は発電時に燃やして利用するため、大量の二酸化炭素を大気中に排出し、地球温暖化の主な原因のひとつとなっており、大きな問題となっています。このため、気温上昇を1.5℃以内に抑えるために、化石燃料の使用を減らし、再エネへの移行が急ピッチで進められています。

NO.494 【W効果!?】

発電における化石燃料の割合が0%の国は、実は世界に10カ国以上あります。たとえば、アイスランド、ネパール、ブータン、パラグアイなどでは、電気の全てを水力を中心とした再エネを利用して発電しています。また、ノルウェーでも、水力や風力などの再エネで、発電のほぼ全て(約99%)をまかなっています。そして、デンマーク、中国、ドイツ、ウルグアイ、インドなどでも、化石燃料からの脱却と100%再エネによる発電を目指して、再エネの割合が急拡大しています。

自動車の分野でも、化石燃料である石油(ガソリン)の使用をやめ、電気や水素、燃料電池などを活用したクリーンな自動車への転換が進んでいます。ノルウェーでは、新車販売の約9割がガソリンを一切使用しないバッテリー式電気自動車(BEV)であり、驚異的な普及率を示して世界を大きくリードしています。香港(新車販売のうち約7割がBEV)、デンマーク(約5割)、スウェーデン・オランダ・シンガポール・フィンランド・ベルギー・アイルランド(いずれも約3割)でも、BEVの急速な普及が進んでいます。また、中国やアメリカのカリフォルニア州においても、購入された新車の約4台に1台がBEVになるまで増えてきています。

NO.160【エミッション→ゼロ!】

カリフォルニア州は、BEVなどのゼロエミッション車(ZEV:BEV、プラグインハイブリッド電気自動車、燃料電池電気自動車が含まれる)の普及に積極的に取り組む先進的な州であり、2035年までに州内で販売される全ての新車をZEVにするという目標を掲げています。そして、「クリーン車両購入補助制度(CVRP)」や「低所得者向けクリーン車両補助プログラム(CVAP)」という、ZEVの購入やリース時における補助金制度、そして高速道路や駐車場における割引制度などを通じて、ZEVの普及を促進してきました。

しかし、世界全体では化石燃料への依存が根強く残っています。国際エネルギー機関(IEA)によれば、発電における化石燃料の割合は徐々に減少しているものの、現在でも約6割が化石燃料と半分以上を占めています。とりわけ日本は、発電の約7割が化石燃料と、依然として化石燃料中心のエネルギー体制にあります。また日本の新車販売における電気自動車(BEV)の割合も2%程度と非常に低く、化石燃料に依存しない自動車の普及も、世界主要国と比較すると大きく遅れをとっています。そのため、国連の気候変動対策に関する国際会議(COP)では、日本は化石燃料に依存し続けていると批判され、「化石賞(Fossil of the Day)」という不名誉な賞をたびたび受賞しています。

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SDGs(持続可能な開発目標)の7番目の目標「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」では、脱炭素社会の実現に向けて、再エネの割合を大幅に増加させることを目標に掲げています。日本では太陽光発電が年々増加しており、この10年間に約5倍に拡大しました。そして太陽光からの発電量は、中国、アメリカ、インドに次いで世界第4位となっており、世界有数の太陽光発電国となっています。風力発電も青森県や秋田県、北海道を筆頭に導入が進められており、海の上の洋上風力発電も促進されています。しかし、発電に占める再エネ(大型水力発電を除く)の割合はまだ1割程度と低く、導入の遅れが課題です。そのため、現在の日本のSDGs7に関する評価は、4段階中、下から2番目の「オレンジ評価(Significant challenges remain)」となっており、評価を改善するためには、化石燃料からの脱却と再エネの導入拡大が急務です。

同様に、発電の約6割が化石燃料のアメリカもオレンジ評価になっています。今年に入り、トランプ政権の復活により、アメリカは再びパリ協定から離脱し、化石燃料の生産拡大と規制緩和を進めています。さらに、5月22日に下院で可決された予算案(OBBB法案)には、本来は2032年まで安定的に活用される予定であった再エネへの支援政策の早期廃止が盛り込まれています。この法案が上院でも可決されれば、アメリカの化石燃料依存が強まり、再エネの導入が後退する可能性が高まります。このような動きはSDGs目標7の達成に逆行するものであるため、7月の成立が目指されているOBBB法案の行方には、国内外から大きな注目が集まっています。*

*OBBB法案は7月4日に成立しました。これにより再生可能エネルギープロジェクト向けの税控除は大幅に縮小され、特に風力や太陽光発電への影響は甚大です。このことによりアメリカにおける再エネ導入は大幅に減少する可能性が高まっています。(2025年8月27日後記)

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【SDGs 10:人や国の不平等をなくそう】編

サクラ新聞第364号はここから

クイズ

クイズのこたえ

解説

6月は「プライド月間(Pride Month)」です。現在、ワシントンD.C.では、来場者数200万〜300万人規模の大イベント「WorldPride 2025」が開催されており、シャキーラをはじめとする豪華アーティストの参加によって、大きな盛り上がりを見せています。この1か月間は、LGBTQ+の権利と多様性を祝福し、差別や偏見を減らす期間として、世界各地でさまざまなイベントや啓発活動が行われます。

WorldPride2025 Photo credit) WorldPride DC

こうした活動は、実はSDGsにも深く関係しています。特に、世界から不平等をなくそうとするSDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」と強く結びついています。この目標では、年齢、ジェンダー、障がい、人種、民族、生まれ、宗教、経済状態などに基づくあらゆる差別や偏見をなくし、人々がそうした違いによって不利益を受けることなく、平等なチャンスを持てる社会の実現を目指しています。

差別や偏見は、日本国内にも存在しており、たとえば、江戸時代に定められた身分制度によって生まれた差別は、現代にも根強く影響を残しています。この制度では、幕府の支配を安定させるために、国民を武士・百姓・町人・公家・僧・神官などに分けて、人々の身分と役割を定めていました。(割合としては、百姓が約85%、武士が7%、町人が5%、公家・僧・神官が1.5%程度と、百姓が大半を占めていました)

呉服屋前の正月のにぎわい「松坂屋之図」歌川国芳 出典)国立国会図書館

この制度は、武士を頂点とする明確な上下関係によって構成されており、人々は原則としてその身分を変えることができませんでした。身分は世襲制で、個人の能力に関係なく、親から子へと固定的に引き継がれていくものでした。またこの身分制度のもとで、「えた」「ひにん」と呼ばれる制度上、最下層とされる人々も生まれました。彼らは、牛や馬の解体など、人々が嫌がる仕事を担わされ、条件の悪い場所に住まわされ、地域の祭りに参加できないなどのひどい差別を受けることになります。1871年(明治4年)に「解放令」が出され、この身分制度は廃止されましたが、「部落差別」という形で、えた・ひにんの子孫に対する結婚や就職などでの差別が続いていきます。2016年に「部落差別解消推進法」が成立して、こうした差別をなくす活動が行われていますが、残念ながらまだ完全にはなくなっていません。

また、北海道・樺太・千島列島などに住んでいた、アイヌ民族に対する差別も、今なお存在しています。実は北海道は、江戸時代までは「蝦夷地」と呼ばれ、日本の正式な領土ではなく、アイヌ民族が独自の文化を持って生活していた地域でした。1869年(明治2年)に蝦夷地は日本の領土とされ、北海道と改称されます。

アイヌ民族 Photo credit) Japan Times

アイヌ民族は、狩りや漁、交易を中心に、独自の言語や宗教、生活様式を持っていましたが、明治政府は彼らを「未開で野蛮」とみなし、アイヌ民族を日本国民に同化するために、1899年に「旧土人保護法」を制定します。この法律により、アイヌの人々の土地や言語、宗教が制限され、日本語の使用が強制されるなど、文化の否定と差別が制度として行われ、アイヌの人々は不当な扱いに苦しむことになります。

旧土人保護制定からおよそ100年後(2008年)に、日本政府は初めてアイヌの人々を「先住民族」と公式に認め、アイヌの人々の歴史的な存在と文化を認めました。そして近年、「アイヌ施策推進法」(2019年)の制定により、ようやく差別的な法律が廃止されました。これにより、アイヌ文化の復興や差別の解消に向けた取り組みが本格的に始まりましたが、現在においても、差別自体そのものは完全には解消されていません。

日本では、日本国憲法第14条で、「すべて国民は法の下に平等である」と定められており、差別を禁止しています。これを受けて、先述の部落差別解消推進法、アイヌ施策推進法のほかにも、労働基準法、男女雇用機会均等法、障害者差別解消法(2016年)、LGBT理解増進法(2023年)など、さまざまな法律によって日本に住む人々の間の差別の解消や不平等を減らす努力がされています。

しかしながら、SDGsに関する国際的な評価によれば、日本はジェンダー格差が大きく、LGBTQ+、障がい者、在日外国人などの社会的少数者に対する包摂も依然として不十分であると指摘されています。たとえば、日本はG7の中で唯一、同性婚が法的に認められておらず、性別変更にも厳しい条件が課されているため、LGBTQ+の人々は日常生活の中で法的及び社会的な不利益に直面しています。今後は、包括的な差別禁止法の制定や、社会的少数者に対するより具体的な支援の強化が求められています。また、一人ひとりが差別に対して無関心でいたり、知識を持たなかったりすることが、差別の温床となる場合があります。だからこそ、わたしたち自身が学び、理解を深めることが、差別をなくすための大きな力になります。SDGs10が目指す、すべての人が平等なチャンスを持てる社会の実現のためにも、まずは、今月開催されているPrideのイベントに足を運んでみることから始めてみるのはいかがでしょうか?

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【SDGs 15:陸の豊かさも守ろう】編

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クイズ

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解説

佐賀県のシンボル的な存在であり、ハート型の眼をもつムツゴロウが、新たな絶滅危惧種としてIUCN(国際自然保護連合)の「レッドリスト」に加わり、ニュースとなりました。IUCNのレッドリストには、地球上の約15万種の野生動植物が調査され、各種の絶滅の危険性が評価されています。今年のレッドリストには、ムツゴロウを含む850種が新たに絶滅危惧種として追加され、現在、世界の絶滅危惧種の数は、なんと47,000種を超える数に達しました。

日本でも環境省によってレッドリストが作成されており、国内では3,700種以上の動植物が絶滅危惧種に指定されています。「羊の皮をかぶったオオカミ」、「鳥なき里のコウモリ」、「鶴の一声」といった慣用句などに登場する動物も、実は絶滅の危機に瀕しています。具体的には、古代に神として崇拝されてきた日本固有種のニホンオオカミ(大神)は、明治時代に絶滅しています。また、小笠原諸島に生息する日本固有種のオガサワラオオコウモリは、絶滅危惧種に指定されています。また、日本で繁殖する唯一の鶴であるタンチョウは、江戸時代には全国各地で見られましたが、個体数が大幅に減少し、明治時代には絶滅寸前にまで追い込まれました(National Geographic)。その後、保護活動によって個体数は回復しつつありますが、現在は北海道にのみ生息し、依然として絶滅の危険にさらされています。

野生生物の存続は、人間活動によって大きな影響を受けています。例えば、密猟や商業/食用目的での過剰な捕獲、または駆除などが原因となって絶滅の危機に瀕している種があります。また、人間によって持ち込まれた外来種の侵入が、絶滅の危機を招く場合も少なくありません。体長が20センチ近くにも達し、日本に生息するカエルのうち最も大きいウシガエルはその一例です。ウシガエルは、1918年に食用としてアメリカのルイジアナ州ニューオリンズから持ち込まれましたが、食用としての需要が伸びず、その後、養殖されていたウシガエルが逃げ出し、野生化しました(Wetland Research)。ウシガエルは他のカエルと比べて産卵数が多く、繁殖力が非常に強いため、全国各地で急増しました。さらに、昆虫、ザリガニ、鳥、魚、カエルなど、口に入るものは何でも食べるため、元々その場所にいた在来生物や在来カエルがいなくなってしまうこともあり、生態系に深刻な影響を与えています。*

ウシガエル Abilene Zoo

さらに、人為的な森林破壊も、種の絶滅を加速させています。日本は国土の67%が森林で、フィンランドに次いで世界2位の森林率を誇っていますが、都市化や農地開発、インフラ整備に伴う森林伐採が続いており、それによって動植物が生息地を奪われ、絶滅危惧種が増加しています。また近年では、過疎化や林業の衰退による森林の手入れ不足や放置が進み、こうしたことも動植物種の喪失に拍車をかけています。

また日本は、人工林の割合が高いことも動植物種に影響を与えています。日本の森林は、木材資源を供給するために、造林が繰り返し行われてきた長い歴史があります。人の手が加えられず、昔から残されてきた日本の天然林は、現在では松林が多くみられますが、造林が始まる前の縄文時代には、ブナ林が広がっていたとされています(森林総合研究所)。しかし、ブナは成長が遅く、切ると腐りやすいため 「木では無い」と「橅(ブナ)」と名付けられ、国内の多くのブナ林は伐採されて、代わりに杉やヒノキが植えられていくようになります。形質に優れ、加工しやすい杉やヒノキの性質は、奈良時代にはすでに認識されていたようで、日本書紀には「スギ・クスノキは舟に、ヒノキは宮殿に、マキは棺に使いなさい」と記述されていたそうです(林野庁)。木材生産のための人工林の造成は、室町時代には盛んになっていたそうで、その後の杉とヒノキの造林推進により、人工林が増加しました(森林総合研究所)。人工林は、主に単一の樹木で構成されることが多いため、樹種の多様性が低く、その結果、他の動植物も限られた種類しか生息できないことが多く、天然林に比べて生物多様性が低い問題を抱えています。日本国内の人工林は全体の約4割を占め、世界的にみても非常に高い水準にあります。

SDGsの15番目の目標「陸の豊かさも守ろう」では、絶滅の危機に瀕している生物を保護し、絶滅を防ぐために緊急に対策をとることが重要であるとしています。この目標は、単に生物の保護にとどまらず、地球全体の生態系を健全に保つための重要な取り組みです。ムツゴロウのような絶滅危惧種を新たに生み出さないためには、森林や生物多様性の保護、植林活動の強化、外来種の管理など、さまざま面からの対策をさらに強化していく必要があります。

*ウシガエルはIUCNによって世界の侵略的外来種ワースト100に指定されているほか、日本でも日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100に指定されており、駆除して個体数を減らすための対策が取られています。

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【SDGs3:すべての人に健康と福祉を】編

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クイズ

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解説

SDGsの3番目の目標「すべての人に健康と福祉を」では、老若男女を問わず、すべての人が金銭的な心配をせずに基礎的な医療サービスを受けられるようにし、誰もが健康で幸せな生活を送ることができる社会の実現を目指しています。

日本は平均寿命が84歳、特に女性においては87歳と世界一長く、長寿国として知られています。しかし、日本が長寿国としてその地位を確立したのは、比較的最近のことです。日本の歴史を振り返ると、長寿が一般的でなかった時代が長く続きました。昔の日本は、戦争や疫病、未発達な医療技術、不衛生な環境、天候不順や自然災害、食料不足、栄養不足、飢餓などの影響で、長寿を享受することが難しかったのです。

また、米や豆類を中心とした栄養が偏った食生活も、人々の健康に悪影響を与えていました。南蛮貿易が行われた室町時代には、ポルトガル船によって海外からカボチャやトウモロコシなどの新しい食材が伝わり、食文化や健康面に良い影響を与えるようになりました。しかし、新鮮な野菜や果物が広く普及するには時間がかかり、ビタミンやミネラルが不足しやすい食生活は長く続きました。こうした栄養不良も、人々の寿命に影響を与える一因となり、古代から第二次世界大戦前まで、日本人の平均寿命はずっと50歳未満でした。

戦後になり、日本の平均寿命は急激に伸びました。戦争の終結、食生活の改善、食料供給の安定、医療の発達、公衆衛生の向上などにより、子供や若年層の死亡率が低下したことが大きな要因になっています。戦前に多かった結核や胃腸炎などの死因はすっかり影を潜め、現在(2023年)の死因の第一位は悪性新生物(腫瘍)で全体の4分の1を占め、第二位は心疾患(15%)、第3位は老衰(12%)となっています。長寿国となり高齢化が進んだ結果、高齢になるにつれてリスクが高まる死因の割合が増えました。

また、近代の経済のグローバル化や技術の進歩に伴い、新たな世界的な健康リスクが浮上しました。新型コロナウイルス感染症の蔓延は、その代表例です。新型コロナはあっという間に世界中に広まり、感染症の拡大の速さが改めて注目されました。他にも、SARS、豚インフルエンザ、MERS、エボラウイルスなど、2000年以降に急速に広がった感染症が世界に大きな影響を与え、公共の健康システムや国際的な協力の重要性が再認識されました。これらの感染症がパンデミック化するようになった背景には、国境を超える人の移動の増加があります。例えば、国境を越えた旅行者の数は、1980年には3億人に満たなかったのが、2019年には15億人と、この40年間で5倍以上に増加しました。こうしたグローバル化は、国際的なビジネスの発展など良い面を生み出しましたが、同時に感染症の拡大にも繋がりました。2023年1月29日までに、新型コロナウイルスに感染した人の合計は7.5億人に達し、世界の十人に一人が感染した計算になります。

開発途上国には、日本の平均寿命が50歳に満たなかった時代と同様に、紛争、HIV /エイズをはじめとする感染症、医療体制の遅れ、衛生環境の不備、食料供給の不足、貧困などの要因で、健康が脅かされている地域が依然として多く存在します。特にアフリカでは、HIV /エイズの問題が深刻です。HIV /エイズに感染している人の65%はアフリカに住んでおり、HIV /エイズの感染者数はアフリカが圧倒的に多くなっています。アフリカの15歳から49歳までの年齢層における最も高い死因がHIV /エイズであり、全体でも4番目に多い死因となっており、事態は深刻です。

2030年までに結核、HIV /エイズ、マラリアなどの感染症を撲滅することは、SDGsの3番目の目標を達成するための重要な指標の一つとして掲げられています。HIV /エイズは、適切な知識と予防策を講じることで、感染リスクを大幅に減らすことができる感染症です。これらの課題を解決するためには、国際社会の協力と支援が不可欠であり、SDGsの目標達成に向けたさらなる努力が求められています。

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【SDGs16:平和と公正をすべての人に】編

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クイズ

クイズのこたえ

解説

2024年は、日本被団協(日本被爆者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞しました。日本のノーベル平和賞の受賞は、1960年代から70年代にかけて内閣総理大臣を務めた佐藤栄作氏以来50年ぶりで、12月10日のオスロでの授賞式も大きな注目を集めました。

ノーベル平和賞は、平和で公正な世界を促進するための活動を評価する賞として1901年に設けられました。「平和で公正な世界の実現」は、SDGsの重要な柱の一つでもあり、特に16番目の目標「平和と公正をすべての人に」では、紛争や暴力、腐敗の減少、そして法の支配の強化を通じて、平和で包摂的な社会の構築が目指されています。しかしながら、この目標の達成には多くの困難が伴っているのが現状です。経済平和研究所(IEP)による「世界平和度指数2024」によると、世界の平和度は10年連続して悪化しており、2024年の結果では、平和度が悪化した国が97カ国(日本もその一つ)に達し、IEPの調査開始以来、最も多くの国で平和度が低下したことが報告されています (IEP)。そして現在、56件もの紛争が起こっており、第二次世界大戦後、最も多くの地域で争いや暴動が起きています (IEP)。

こうした現状を打開するため、平和を願うメッセージとして、平和運動や抗議活動では「白いハト」のシンボルが頻繁に使用されています。

ところで、このハトは何かをくわえているのですが何かご存知でしょうか?答えは「オリーブの枝(若葉)」です。ではハトとオリーブの枝が平和のシンボルなのはなぜでしょうか?実はこれは、旧約聖書の「創世記」に登場する「ノアの方舟」の物語に由来しています。この物語では、神は人間の罪深さに怒り、地球全体を覆い尽くす大洪水を起こして全てを滅ぼす決意をします。そして事前にノアという一人の者だけにその計画を告げ、方舟をつくり家族と動物たちを乗せるように指示します。怒りの大洪水が始まると、水が次々と陸を飲み込んでいきます。40日40夜の後に洪水が止んでも水の勢いはなかなか治らず、ノアはアララト山に舟を止め、水が引くのを待ちます。ノアは白いハトを放って陸地が現れたかどうかを確認します。最初に放ったときはハトはそのまま戻ってきたため、ノアは時期尚早と判断し引き続き待ちます。そして、七日経って再びハトを放つと今度はハトが「オリーブの枝」をくわえて戻ってきます。このことからノアは水が引き始め、地上に新たな生命が息を吹き返し始めていることを知ります。この物語を受けて、オリーブの枝をくわえたハトは、神と人間の和解を象徴するものとなり、戦争や暴力の終息を願う平和や希望の象徴として広まるようになりました。国連のロゴにもアメリカの国章にも平和を願う思いが込められてオリーブの枝が描かれています。

平和のシンボルには他にもハトの足跡のような「ピースマーク(シンボル)」と呼ばれるマークがありますが、これにはどんな由来があると思いますか。

実はこのマークは核軍縮(Nuclear Disarmament)を意味していて、手旗信号のNとDが重ね合わさってできています。1950年代に設立されたイギリスの反核運動団体CNDのロゴとして作成され、それ以来、平和運動や反戦運動の象徴として広く認識されています。

核兵器においては、第二次世界大戦で核兵器の犠牲となり世界で唯一の被爆国となった日本は、核兵器の保有に強く反対する立場をとり、1967年から核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則を掲げています。この非核三原則は、当時の佐藤栄作内閣総理大臣によって表明され、その後、日本人初のノーベル平和賞受賞へとつながりました。また、日本被団協は68年間に渡って、核兵器廃絶や被爆者の救済を訴える活動を続けており、その活動が今回のノーベル平和賞受賞に結びついています。日本のノーベル平和賞受賞はいずれも核兵器廃絶を訴える活動が高く評価された結果であると言えます。

現在、世界は2021年1月22日に発効した国際条約「核兵器禁止条約」に基づき、核兵器の全廃に向けた動きを本格化させています。この条約は、核兵器の使用、開発、保有、移譲、製造を完全に禁止することを目的としており、核兵器を法的に禁止しています。(なお、この条約の実現に尽力したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)は、2017年にノーベル平和賞を受賞しています。)現在、締約国は73カ国・地域に達していますが、核保有国(アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスなど)や、NATO加盟国の多くはこの条約に署名も批准もしていません。実は日本も、条約に署名も批准もしていません。

日本の国歌「君が代」には、「君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」という歌詞があります。この言葉には、世界が永遠に続き平和が守られることを願う祈りが込められており、未来の世代に平和を引き継ぐ重要性を訴えています。第二次世界大戦後、憲法に「2度と戦争をしない」と平和への誓いを記し、日本国憲法の三原則の一つとして平和主義を掲げ、日本はおよそ80年の間、戦争のない国をつくってきました。日本被団協がノーベル平和賞を受賞したこの歴史的な瞬間を契機に、日本がこれまで以上に積極的に平和構築のリーダーシップを発揮することは日本の歴史的使命であり、「平和な日本」としての地位をさらに強化するための基盤となるに違いありません。

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【SDGs12:つくる責任つかう責任】編

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クイズ

クイズのこたえ

解説

現代社会は資本主義経済を発展させ、物質的な豊かさを実現してきました。工業化により大量生産が可能となり、消費者の生活水準の向上が大量消費社会の拡大を促進しました。また、グローバリゼーションによってより多くの人が安価に豊富な商品を手に入れることができるようになりました。しかし同時に、この大量生産・大量消費に基づく経済システムにより私たちの社会は、自然が提供できる量を超えた森林資源、水資源、化石燃料、鉱物資源、土壌資源、海洋資源などの資源を消費するようになり、資源の枯渇、生物多様性の喪失、海洋汚染、砂漠化、そして地球温暖化など様々な環境問題を抱えるようになりました。

世界全体の自然資源消費量は産業革命以降顕著に増加し、1970年には私たちの社会は地球がもつ資源や再生能力を超えて自然資源を消費するようになり、現在では、地球1.7個分の資源を消費するに至っています。日本も例外ではなく、殊に資源に乏しい日本では国内資源では国民の生産・消費活動を支えることができず、国内資源量のなんと7倍に相当する資源が消費されています。資源が豊富なアメリカでも、国内資源量の2倍の資源が消費されています。逆に、国内資源量の範囲内で消費活動を行えているのは、オーストラリアやブラジルなどといった数少ない国だけであり、世界の多くの国々は、将来世代の資源を「前借り」して経済活動を行なっています。

こうした資源の過剰消費を引き起こす要因の一つに「ファッション」の存在があります。アパレルファッション業界では、デザイナーやブランドがシーズンごとに新しいコレクションを発表してトレンドを生み出すことで、消費者の「新しさ」への欲求を刺激し、商品の購入を促進してきました。その結果、新しいシーズンごとに過去の服が古く見え、流行に遅れを取らないために短期間で頻繁に新しいものを入手する大量消費のサイクルが生まれました。さらに近年の安価な「ファストファッション」の台頭やSNSでのインフルエンサーなどの影響により、消費のサイクルが一層加速し、2000〜14年の間に服の生産量は2倍に、消費者の購入量は6割増えており、過剰消費が助長されています。並行して、トレンドが終わった「ダサい」服は破棄されるという「服の使い捨て文化」も加速しています。世界では、毎秒トラック1台分の服がゴミとして捨てられているといわれています。日本国内でも、供給される年間82万トンの服のうち90%は1年以内にゴミとして捨てられ、アメリカでは毎年500億枚もの服が埋立地に送られています。

この膨大な量の服のゴミを減らすために、最近では不要になった服を回収してリサイクルする「テイクバックプログラム」を提供する企業や団体が増えてきました。パタゴニアやノースフェイスなどは自社の服を回収して修繕しそれをリファービッシュ品として再販売する取り組みを、そしてナイキやプーマ、アディダスやH&Mなどは自社製品だけでなく他のブランドの服や靴も回収し、リサイクルに回す取り組みを行っています。これらの取り組みは、服の廃棄を減らし、リサイクルによって資源を再利用することで、環境への負荷を軽減する一助となります。しかし、根本的な解決には生産者・消費者の意識改革が求められています。

そうった意識改革へのヒントとなるのが日本の「もったいない」精神の再考かもしれません。ノーベル平和賞を受賞したケニア出身の環境保護活動家ワンガリ・マータイさんが、日本の「もったいない」に感銘を受けて「MOTTAINAI」キャンペーンを始めたことで一躍世界でも有名になりましたが、「もったいない」は日本文化における重要な概念の一つです。この概念は長い日本の歴史の中で形成され発展してきましたが、その中でも、江戸時代の儒教の存在が大きかったようです。儒教が美徳として重んじた「節約」や「倹約」の理念が、無駄遣いを戒め、モノを大切に使うという江戸時代の家庭や社会の道徳観の形成に深く影響を与え、結果的に「もったいない」精神の基盤を築きました。さらに、鎖国によって資源の出入りが制限され、国内資源が限られていたという時代背景もこの「もったいない」精神を強化する要因となりました。限られた資源を有効に活用し、再利用することが求められたため、さまざまなリサイクル業者が現れ、下駄や傘、食器、鍋や釜、農具などの壊れたものは修理業者によって「リペア」され、服は古着屋で「リユース」されていました。また「灰買い」という業者によって、薪や藁を燃やした後のかまどの灰は「リサイクル」され、肥料や洗剤、染料、アク抜き、傷薬などさまざまな用途に利用されていました。

SDGsの12番目の目標「つくる責任つかう責任」では、3R(リデュース・リユース・リサイクル)を推進し、ゴミの発生量を減らし、資源の無駄遣いを減らすことを目指しています。近年では3Rにリフューズとリペアが加わって5Rが主流となっていますが、日本の「もったいない」精神は、これらのRとは異なり、「リスペクト」というRで表現されることがあります。つまり、モノに対する敬意や愛情の心こそが「もったいない」の本質だという解釈です。そしてこの「リスペクト」こそが、日本が育んできた、そして大切にしてきたモノとの関わり方であり、これからの生産・消費活動における意識改革の重要なヒントを示しているのではないでしょうか。

年末が近づき、そろそろ大掃除の時期です。今年は、6つのRを意識しながら家の汚れや不要なモノと向き合ってみようと思います。皆様、今年の頭から始まった連載をご覧いただき誠にありがとうございました。どうぞ素晴らしい年末年始をお過ごしください。

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【SDGs4:質の高い教育をみんなに】編

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クイズ

クイズのこたえ

解説

梅雨の到来を目前に控え、全国的に暑さが続いていた今年の6月中旬、埼玉県内のある市立中学校が授業中の生徒の水分補給を禁止する方針を打ち出し、熱中症のリスクを無視した「ブラック校則」の一例ではないかと話題を集めました。日本の教育をめぐる議論は、こういった不合理な校則に始まり、知識偏重や偏差値至上主義、学歴偏重、画一的な教育方針、教育格差、いじめ、不登校など多岐に渡り、現在の教育システムに対する批判は絶えません。

しかし、SDGsの4番目の目標「質の高い教育をみんなに」に関連する指標では、日本の教育は高い国際評価を受けています。SDGsにおける「教育の質」は、1)幼稚園・小学校・中学校・大学などの就学率や、2)15才を対象にした国際学力調査(PISA)による学力テストによって測定されています。日本の小・中学校の就学率はほぼ100%に達しており、日本の学力(PISA)は国語、数学、科学の全分野で世界トップ5*にランクインしているため、日本の教育は高水準、という結果なわけです。ただ、PISAから判定される日本の社会経済的背景による教育格差が11.9%と前回のテスト(2018年は9.4%)から.上昇していることと、数学の落ちこぼれ率が11.96%と前回と前々回のテスト(2015年は10.69%,2018年は11.46%)から上昇していることによって、国連による『持続可能な開発報告書(Sustainable Development Report 2024)』では日本のSDGs4の達成度が「課題を残す」という評価となってしまいました。しかし、フランス(21.5%/28.8%) 、ドイツ(18.7%/29.5%))、アメリカ(14.9%/33.9%)の教育格差(括弧内前者)や落ちこぼれ率(括弧内後者)と比べると、日本の教育の質は「SDGs的に高水準」に変わりありません。

このような日本の高い就学率や学力の背景には、日本の長い歴史に根ざした「教育熱心」な文化が存在しています。そしてこの教育文化は、庶民教育が広く普及した江戸時代に開花しています。元来、教養などの教育は支配者層だけに必要とされ、江戸時代も武家だけが「藩校」で儒学や兵学などの高尚な学問を学んでいました。そんな中、江戸時代には庶民も教養を求め始め、それに伴い日常生活に必要な読み書きや計算などを学べる「寺子屋」が発達していきます。寺子屋は都市部だけでなく、地方や農村部と全国に広く普及し、幕末までには1.5万以上の寺子屋ができたそうで、こうした庶民教育の浸透により、江戸時代の日本の識字率は6割を超えていたそうです。当時のイギリスやフランスなどの識字率が3割未満だったのに比べると、国際的に見ても日本人の基礎学力がこの時代からいかに高水準だったのがわかります。

また、この時代の教育熱心な国民性は「米百俵」の話にも見られます。北越戊辰戦争に敗れ、財政が貧窮して荒れた長岡(現在の新潟県)のまちに、支藩からお見舞いとして百俵の米俵が贈られます。その日の食事も事欠く状態だったため、藩士たちは「米を分けろ」と言い寄りますが、「戦後の長岡を立て直すには教育が最も大事だ」と長岡藩の大惨事である小林虎三郎は、米百俵を、すべての人に開かれた学校(国漢学校)設立の資金として利用したそうです。教育が将来をみすえた重要な投資と捉えられており、苦しい状況でも将来の人材育成に力を注ぐという姿勢がこのころから日本社会に根付いていたことがわかります。

明治時代には、すべての子どもたちが教育を受けられるように「学制」(明治5年)が公布され、交付後3年という短期間に現在と同規模の2万以上の小学校が設立されました。しかし、当時の小学校の授業料は現在のように無償ではなく保護者の負担だったため、国民の反発を招き、男子の就学率は6割、女子は2割程度に留まり、就学率の問題が残りました。その後、数々の法令を経て、1947年には小学校と中学校の9年間を義務教育化、そして授業料の無償化と現在の教育システムを実現しました。その結果、日本ではすべての子どもが平等に教育を受ける権利を享受できる社会が確立されました。

近年のデジタル化の進展に伴い知識やスキルが急速に変化する中で、ChatGPTなどのAI技術の導入や情報格差といった新たな課題も浮上しており、教育現場はますます複雑化してきています。教育熱心DNAを持つ日本人がこうした難題をどう乗り切っていくのか、その手腕に大きな期待が寄せられています。

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【SDGs8:働きがいも経済成長も】編

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クイズ

クイズのこたえ

解説

「24時間戦えますか」—1989年の流行語大賞にランクインした栄養ドリンクのCMコピーですが、1980年代の日本のバブル景気時代のサラリーマンの働き方を象徴する語句として話題になりました。好景気に沸き、1人あたりの国民所得がアメリカに次いで第2位となり、土地も株価も右肩上がり。急成長を遂げる企業が急増し、雇用が拡大し、働けば働くだけ給与に直結したこの頃は、何よりも仕事を優先し、深夜残業をいとわず、有給休暇や休日返上で働く「企業戦士」や「モーレツ社員」を美徳化する仕事文化が確立しました。そして、そうした無理な働き方はもちろん長続きすることはなく、その後の長時間労働、ブラック企業、過労死が社会の大きな問題として注目される時代が到来します。電話相談窓口「過労死110番」が1988年に開設され、過労死に関する相談件数は年間およそ1000件に達するようになりました。

そういった過重労働の問題に対して、労働者の働きすぎを防ぐために労働基準法などの改正が行われてきており、現在においても引き続き「働き方改革」(2019年施行)などにより、有給休暇を確実に取れるように義務化したり、月60時間を超える残業の割増賃金率を50%に引き上げることで残業時間の規制を強化したりするなどの法改正が行われています。

こうした改革によって労働環境の改善が期待されていますが、一人あたりの労働時間が短くなることで労働力が不足し、「2024年問題」という新たな問題も生まれています。例えば物流部門では、トラックドライバーの労働時間が短くなったことで1日に運べる荷物の量が減り、運べなくなる荷物が出てくる可能性が懸念されています。

また、それに追い打ちをかけるかのように、人口減少や少子高齢化による生産年齢人口(15〜64歳の働き盛りの人口)の減少も、労働力不足問題に拍車をかけています。日本の生産年齢人口は1995年まで年々増加し8700万人に達しましたが、その後、総人口の減少を上回るペースで減少し、現在では約7500万人です。2065年までには4500万人と、ピーク時の約半分に減少すると予測されています。

この一人あたりの労働時間の減少と生産年齢人口の減少のダブルパンチの中、日本は労働力、そして生産性を減らさないためにさまざまな対策を講じる必要に迫られています。

例えば、「選択的週休3日制」を導入し、働き方の選択肢を増やすことで労働市場の拡大を図っています。勤務は週4日で、残りの3日は他のことに充てられる働き方により、家事や育児、介護などで忙しく働く時間に制限があった人たちや、病気や高齢で体力的に週5日は働けなかった人たちが労働市場に参入できるようにしています。

また、「半農半X」という、農業と他の仕事「X」(例えばリモートワーク、民宿、介護、夢の実現など)を組み合わせて働くワークスタイルへの支援も行われています。国や地方自治体などは半農半Xに対して補助金や支援制度を設けており、半農半Xを求めて移住しようとする人たちを増やすことで、地方での人口減少や農業での人出不足に歯止めをかけようとしています。

さらに2030年までに40万人の労働不足が予測されている製造業では、産業用ロボットなどの活用が進められています。日本は産業用ロボットの生産量も利用量も世界第2位と長年にわたり産業用ロボット大国を誇っていますが、近年では人工知能(AI)を搭載したロボットによる単なる自動化を超えた高度な製造システムの実現によって、労働力不足問題の解決や生産性の向上が大いに期待されています。

SDGsの8番目の目標「働きがいも経済成長も」では、今までの働き方の改善をして多様な働き方を選択できる社会の実現を目指しています。日本が直面している「労働」に対する問題に対し、働くスタイルの多様化や労働生産性の向上、従業員満足度向上などさまざまな取組を通して、すべての人が働きがいのある仕事ができるような社会の実現が求められています。

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【SDGs6:安全な水をトイレを世界中に】編

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クイズ

クイズのこたえ

解説

ありがたいことに現在の日本では、蛇口をひねれば安全な水が出てきますが、上下水道が整備されたのは実は明治時代に入ってからで、つい100年ちょっとのことなのです。それまでは『桃太郎』の話に出てくるように、飲み水、洗濯、食器洗いには川や井戸の水が使用されていました。こうした水は、だれかによって水質が管理されているわけではなかったため、知らぬ間に汚水が混じってしまったりして、赤痢やコレラなどがたびたび大流行していました。

世界を見渡すと、江戸時代の日本のように、安全でない川や井戸の水を飲み水に使っている人が4億1,100万人もいます。また、手に入る水が少ないためにトイレもなく、野外排泄をしなくてはいけない人は4億1,900万人もいます。こうした汚れた水や不衛生な環境が原因で、毎日800人以上の子どもたち命を落としています。

水はわたしたちの生存に不可欠です。しかし地球上には水が平等に配分されていません。そしてこうした世界の水環境は、地球温暖化や人口増加などによってこれからさらに悪化すると予測されており、世界気象機関(WMO)によると2050年には50億人の人が水不足に陥るといわれています。そうしたことから、水不足問題に対する一つの取組として、製品の「ウォーターフットプリント*」を減らす試みが増え始めています。

ところで食品のうち、生産するのに一番水を必要とするモノはなんだと思いますか?実は、牛肉のウォーターフットプリントはダントツに高く、1kgあたりの牛肉を生産するのに15,500リットルもの水を消費します。それは牛が食べる大量の飼料を生産するのに大量の水を必要とすることに起因しています。そうしたことから近年、環境負荷を減らすためにも、牛肉ではなく植物性由来の大豆で作った挽肉やハンバーガーなどを販売する会社やお店が増えてきました。インポシブルバーガーやモスバーガーのグリーンバーガーなどがその例です。植物性由来のハンバーガーは、牛肉のハンバーガーと比べて75〜95%少ない水で生産することができるそうです。

また牛肉にかわる環境負荷の少ないタンパク質源として昆虫も注目されていて、ヨーロッパではコオロギを含む4種類の昆虫が食用として認定されています。昆虫を食べるというと嫌悪感を覚える人もいるかもしれませんが、江戸時代の日本では55種類の昆虫が食べられていたようで、実は日本人にとって昆虫食は珍しいことではありません。昆虫食は長野県などで残っており、イナゴやサザムシ、蜂の子などが佃煮にして食べられています。

日本の慣用句には、「湯水のように」という表現があり、「湯水のようにお金を使う」は、お湯や水を使うようにムダ使いして浪費することを意味します。この表現にもあるように、ムダに使えるほど日本は水に恵まれているというイメージがあります。実際に日本は雨が多く、梅雨や台風もあり、冬には雪が降るところもあるため、世界平均の1.5倍の降水量があります。しかし、日本は国土的に、降った雨の多くが国内に残らず海に流れ出てしまうため、一人あたりに使える水資源の量は世界平均の半分の量しかなく、実のところムダ使いできるど水が豊富にあるわけではありません。

世界には22億人以上の人(4人に1人)が、自宅に水道がない状態にあります。また、食料自給率(カロリーベース)が38%と低い日本は、海外の多くの水を日本で食べる食品のために消費していることも忘れてはいけない大切なポイントです。

*製品の生産から消費、そして廃棄の家庭で消費される水の量を表した指標

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【SDGs11:住み続けられるまちづくり】編

クイズ

クイズのこたえ

解説

日本の人口は2010年から13年間連続減少しており、この期間におよそ370万人減りました。静岡県の人がすべて日本からいなくなってしまったのに匹敵する減り具合です。2023年の統計によると、日本国内のすべての都道府県で人口が自然減少(亡くなった人の数が生まれた赤ちゃんの数より多い)しており、唯一東京都だけが、自然減少を上回る社会増加(転入者数が転出者数より多い)によって人口が増加(0.34%)しています。

SDGsの11番目の目標「住み続けられるまちづくりを」では、だれもが安心して住める持続可能なまちづくりを実現しようとしています。日本では人口減少、少子高齢化、東京への一極集中、地域経済の縮小などによって、機能不全に陥る「地方」が後を絶たないため、その対策が急がれています。国による取り組みの一つに、持続可能なまちづくりを実現している成功事例を「SDGs未来都市」として選定して、これらの取組を支援するとともに、そのノウハウを他の地域にも展開して、全国へ普及していこうという試みがあります。例えば、富山県富山市では、都市のスプロール現象により人が住んでいる場所が郊外へと広く分散していて、車の運転ができない高齢者などが生活に支障をきたしていましたが、そうした問題に対し、2013年より「コンパクトシティ」を提唱し取組を行っています。街に路面電車やバスなどの公共交通を充実させ、その周りに居住地と生活に必要な諸機能を集めることで、住人が街のサービスなどを効率よく利用できるよう、街をつくり変えています。このことで、車を必要とする人の数が減り、二酸化炭素の排出量削減にも成功しています。

また日本列島は、その位置、地形、地質、気象などの自然的条件から、自然災害が発生しやすい国土となっているため、災害に強いまちづくりも「住み続けられるまちづくりを」の重要課題になっています。世界で発生する台風の8個のうち1つは日本列島に上陸する、と日本は台風による被害が多く発生します。2019年10月に発生した東日本台風は、総降水量が1,000ミリを超えるところが出る記録的な大雨となり、142か所で堤防が壊れ、約1000件の土砂災害が起き、停電が約52万戸、断水が約17万戸とライフラインにも大きな被害を受け、避難所への避難者数は24万人に達しました。被害総額は2兆円を超え、統計開始以来最大の被害となりました。

また、4枚のプレートの境界付近に位置している日本では、巨大地震による被害が多いことも特徴です。現在、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に1年あたり数cmの速度で沈み込んでいて、ユーラシアプレートがその力に耐えられずに元に戻ろうと跳ね上がろうとした時に起こる「南海トラフ地震」が、今後30年以内に70%~80%の確率で発生すると予想されています。静岡県から宮崎県における一部の地域で最大震度7になる可能性があり、九州から関東の太平洋側の広い範囲で10mを超える大津波が起きると想定されています。南海トラフ地震では約32万人の人が死亡や行方不明の被害に遭うと想定されていて、これは東日本大震災で実際に起きた規模の17倍、ととてつもなく多い数になっています。

こうした災害の発生しやすい国土にあるため、日本は世界トップレベルの防災力を備えるようになりました。日本の防災・減災の知識や経験を盛り込んだ「仙台防災枠組2015-2030」は、災害への備えの指針としてSDGsにも取り入れられています。

地球温暖化などの気候変動によって、避難したり移住したりしなければならないような深刻な自然災害がこれからどんどん増えていくといわれています。防災・減災を進めて自然災害の被害を受ける人の数を減らすような取組や、災害にあっても災害前よりも災害に強い状態に再建して「より良い復興 (build back better)」ができるような取組が、以前にも増して重要になっています。

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クイズ

クイズの答え

解説

ニュージーランドの先住民マオリ族の王、キインギ・ト ゥヘイティア・ポタタウ・テ・フェロフェロ7世は、クジラの生息域が破壊され種の存続が脅かされていることに対する危機感を表明し、クジラに人間と同等な、健全に生きる権利を与える必要があるとの声明をこの3月に発表しました。

日本では、縄文時代にはすでにクジラを食用として利用していたようで、貝塚や遺跡からクジラの骨や解体に使っ た石器が見つかっています。またペリーが日本に開国を求めた理由の一つが捕鯨船の補給基地として日本を利用した かったということだったりと、クジラは古くから多くの国で捕られてきました。その後、技術革新によって捕鯨技術が近代化され、捕鯨が食用品や生活資源として産業化され るようになると、世界中で大量のクジラが捕獲されるようになりました。体長が 30mにもなる世界最大の哺乳類であるシロナガスクジラにおいては、1930 年ごろには年間 3万頭近くも捕られるようになりました。こうした過剰漁獲によってクジラの個体数が急激に低減したために1980 年代には I W C(国際捕鯨委員会)によって、商業用に大型クジラを捕ることが国際的に禁止されましたが、シロナガスクジラを含めたいくつかのクジラは、依然として絶滅の危機に瀕しています。

商業用捕鯨が禁止された1980 年頃から、クジラ以外にも数多くの魚の個体数にもはっきりとした変化がみられています。かつて 370 万トンほどとれていたマイワシの漁業生産量(日本)は急速に減少し、現在までにおよそ5分の1ほど縮小。他にもアジやマグロ、サケ、ヒラメ、サンマ などの生産量も大きく落ち込みました。殊にサンマの生産量はピーク時の 10 分の1と激減しています。これらはクジラの例に見られたような明らかな過剰漁獲が要因になっています。F A O(国連食糧農業機関)によると、まだ十分に利用できるほど個体数が保たれている世界の魚類はたったの7%しか残っておらず、あとの 93%はとりすぎの状態にあるか限界まで利用してきてしまっています。

SDGsでは健全な海を取り戻すために「14 海の豊かさを守ろう」という目標が立てられ、海の多様な生態系を守ろうとしています。過剰漁獲を防ぐためには、多くの国でTAC (Total Allowable Catches) という制度が導入され、捕獲してもいい上限量が決められ、その範囲内で漁業を行うように管理がされ始めています。日本では 1996 年にTAC 法が制定され、日本国民が生活上重要な魚種8種(サンマ、 スケトウダラ、マアジ、マイワシ、サバ類、ズワイガニ、 スルメイカ、クロマグロ)において漁獲管理がされてい ます。また、国際機関 M S C(Marine Stewardship Council) によって開発された「海のエコラベル」制度も導入し、水産資源や海洋環境に配慮した水産物の生産を進めようとし ています。持続可能な漁業でとられた水産物にのみ海のエコラベルをつけることが許されていて、そういった海のエコラベルのついた水産物を買うことで、消費者も過剰漁獲 を防ぎ、海の生態系を守ることに貢献できる仕組みになっ ています。(アメリカでも現地のスーパーなどで海のエコラベルのついた水産物を入手することができます)

日本は捕鯨を再開するために、2019 年に I W C から脱退しました。捕鯨が禁止されてから、かつて年間 23 万トンほどあったクジラ肉の消費は一気に落ち込みましたが、現在もまだ年間2〜5千トン*注)ほどの鯨食文化が国内に 残っています。I W C 脱退によって、食用として利用できるほど十分な個体数があるとされるミンククジラ、ニタリ クジラ、イワシクジラの3種を商用的に捕鯨して、国内の クジラ肉市場を活性化させようとしています。しかし TAC 法などの制限により、期待したほどクジラを捕獲できずに消費も伸び悩んでいるため、解決策として捕獲対象の捕獲対象のクジラの種を増やそうという動きが始まっています。

1970 年代は世界的に反捕鯨運動が活発になりました。 反捕鯨が大きな注目を集めたのが、1972 年にスウェーデ ンのストックホルムで開催された国連人間環境会議でした。この国際会議では、「クジラを救えずして地球が救えるのか(How can we save the global environment if we can’t save one whale?)」をスローガンに、商業捕鯨の一時停止が最初に提案されました。それから 50年も月日が経ちましたが、このスローガンがまだ新鮮に聞こえるのがなんとも皮肉的です。

*注:調査捕鯨の副産物として国内生産されたものとノルウェ ーやアイスランドから輸入されたものが消費されていました。

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【SDGs9:産業と技術革新の基盤をつくろう】編

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SDGs の9番目の目標「産業と技術革新の基盤をつくろう」では、世界の産業発展と経済成長のために持続可能なインフラを整え、イノベーションを進めようとしています。

日本のインフラは、徳川家康が江戸時代に行った様々な社会基盤整備事業が原点となっているものが多くあります。とりわけ東海道をはじめとした五街道などの 交通網の形成は、現在の日本のインフラの重要なベースとなっています。電気やガス・水道、電話などの近 代的生活の基盤となるインフラ整備は、富国強兵や殖 産興業の理念のもと、欧米諸国の技術を積極的に導入した明治時代に進みました。その後、戦争により国土は荒廃してしまいますが、1950 年代から日本の歴史上 最も広汎かつ大規模なインフラ整備が行われ、高速道路、発電所、電気通信、上下水道、新幹線などの社会 インフラが整っていきます。

これらのインフラは、人々の生活基盤の拡充を進め ただけでなく、日本が世界有数の経済発展を果たすための支えとなり、日本は多様なイノベーションを次々と生み出していきます。電子レンジ、ウォークマン、 内視鏡、カラオケ、新幹線、インスタントラーメン、 ウォシュレット、ファミコン、ノートパソコン、ハイ ブリッド車、発光ダイオード、レーザープリンター、I H などなど。こういった戦後の日本の数知れないイノ ベーションは、今までにない新しい価値、商品、サー ビス、マーケットなどを創出し、結果として 15 年もの間、年平均 10%以上の経済成長率を可能にした脅威の 高度経済成長に大きく寄与することとなりました。

現在は、インターネットの普及や発達によってあらゆるものがインターネットとつながるようになり、時 代は第4次産業革命へと突入しました。インターネッ トの利用者は、この10年で年間平均およそ3億人増え、 現在は 50 億人以上の人がインターネットにアクセスが あります。インターネットは電気や水道や道路などと同等に、私たちの生活や産業発展に必要不可欠な社会インフラとなりました。

現在進行形の第4次産業革命では、IoT(モノのインターネット)や AI(人工知能)、ビッグデータ、ロボッ トなどのデジタル技術の活用によって、社会・経済の 構造が大きく変革する時代といわれています。かつて の「既製品」の商品・サービスの値打ちは下がり、一 人一人の特性やニーズに合わせた商品・サービスがよ り重要視されていくこの時代には、多数の顧客から集 められた「データ(情報)」が新しい価値の創造源とな ります。そして、こうしたデータが新たな経済価値を 生み出すために何より重要になるのが、産業や社会の デジタル化、そしてデジタル技術を中核としたビジネ スモデルの変革(DX:デジタルトランスフォーメーシ ョン)なのですが、現在の日本のデジタル力は国際的に後れを取っている感が否めません。スイスの国際経 営開発研究所(IMD)によると、2023年の日本のデジ タル競争力ランキングは、世界64カ国中32位と、 前年より3つランクを下げ過去最低を更新中であり、 米国(1位)、韓国(6位)、中国(19 位)に先を越さ れています。

新型コロナウイルス感染症が猛威をふるっていた数 年前、日本でのワクチン接種が遅れをとり、日本にお けるデジタル力の低さが露呈しました。自治体が住民 票をもとに対象者に接種券を郵送し、ワクチン接種を 希望する人は、電話やインターネットを通じて予約を したうえで接種場所に接種券を持って出向く、という なんとも時間と手間がかかるアナログな方法が取られ、 さらには電話回線がパンクしたため、ハガキによる予 約申し込みに変更される地域があったというのですか ら、接種が遅れたのは避けられないことだったと思い ます。さらには、ワクチン接種における「副反応疑い報告」の85%(2021 年 6 月 27 日の時点)がファッ クスで行われたというのですから、まさに驚きです。

日本ではこの7月に、キャッシュレス化の時代の波に逆行するかのように、新札が発行開始されます。偽札やタンス貯金対策と聞きますが、果たしてファックスと現金の日本から、第4次産業革命時代の新しい価 値やイノベーションは生まれてくるのでしょうか? 不安が募ります。

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【SDGs1:貧困をなくそう】編

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解説

貧困が及ぼす影響は、飢餓や栄養失調、感染症などの健康被害に始まり、人権問題、児童労働、教育格差、医療格差、情報格差、性差別、児童虐待、犯罪、過労死、自殺、紛争・・・と、貧困は様々な問題に波及しています。SDGsの数ある目標にも複雑に絡み合う貧困問題は、今すぐ終わらせるべき最重要項目の一つとして「地球上のあらゆる形の貧困をなくす」とSDGsの第1番目の目標に設定されています。

1日に2.15ドル未満(たったの300円ほど!)で食事、水、電気、住居、衣服、医療などの生活の全てを賄わなければならない生活は「極度の貧困」と呼ばれ、極度の貧困に苦しんでいる人は開発途上国を中心に現在およそ7億人います。極度の貧困は、1990年には20億人規模であったため、この30年間で1/3に縮小し大きく改善されましたが、サブサハラアフリカ地域では依然として極度の貧困率が高くなっています(例えばモザンビークでは人口の75%が極度の貧困状態)。こうした状態を打開するために、アフリカ諸国の中には人工衛星を打ち上げて宇宙開発に解決策を求める国々があります。人工衛星から収集した地上のデータを食料生産、難民対策、災害対策に役立てたり、衛星通信を使って遠隔地医療や遠隔地教育を進めたりして貧困問題や社会問題を改善しようとしています。

日本も長く貧困と戦ってきています。記録に残っているものの中では723年に光明皇后が唐の制度を習い、仏教の博愛慈悲の精神に基づいて貧窮者や孤児の救済のために悲田院を設置したことが、日本における貧困対策の先駆的な取り組みだそうですが、一説には聖徳太子がすでに悲田院をつくっていたとの話もあるそうで、貧困問題は日本の歴史とも切っても切れない関係にあります。

現在の日本は、経済や社会保障制度の発展のおかげで極度の貧困に苦しむ人は人口の0.73%と非常に低い割合になりました。しかし学校の修学旅行に行けなかったり冷蔵庫や洗濯機が買えなかったりと、日本に住む大多数の人より所得が低く生活が厳しい貧困状態(相対的貧困)にある人が多く、現在、日本の相対的貧困率は15.4%と、先進国の中では最も高い割合で大きな問題になっています。子どもの貧困(相対的貧困率)も11.5%と、フィンランドやデンマークの4%と比べるとおよそ3倍近い割合になっています。特にひとり親家庭の子どもの貧困率は約5割ととても高くなっており、問題の解決が急がれています。

明治時代の歌人・石川啄木の短歌にあるような、働いているのに生活保護レベルの収入しかなく貧困状態にあるワーキングプア(働く貧困層)が増えているのも問題になっています。ワーキングプアは、バブル経済崩壊後の非正規労働者の増加などに伴い社会問題になりましたが、現在は物価高より相対的に賃金が低下しているためにさらに状態が悪化し、労働者人口の1割をも占めるほど増加しています。また、国内の労働者のうちおよそ半分は年収が300万円未満の低所得者であり、低所得労働者の割合が半分を超える県数はこの10年間で、24から34県と増えているというデータもあり、働く人の貧困が一層深刻化している状態にあります。

近年、貧困問題解決のためにベーシックインカムの導入を検討する国や都市が増えてきています。アメリカでもロサンゼルスやデンバーなどで実験が行われ、日本でも2021年の総選挙において日本維新の会がベーシックインカムの実施を公約として掲げて以来、導入についての議論が活発に行われています。 新型コロナウイルス感染症やロシアのウクライナ侵攻による世界的なインフレの影響で貧困に陥る人が増えており、2030年までにSDGsが目指す貧困削減目標の達成に暗雲が立ち込めています。開発途上国における貧困を支援しつつ、国内の拡大化する貧困問題にどう立ち向かっていくのか、対策が急がれています。

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【SDGs5:ジェンダー平等を実現しよう】編

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解説

世界経済フォーラムがまとめたGlobal Gender Gap Reportという報告書によると、2022年の日本のジェンダー平等度は世界125位。調査対象の146カ国中、下から20番目とちょっと驚きの下位です。

日本は戦後の教育改革によって、男女はお互いに敬い、協力し合わなければならないものであるという考えのもと、公立の学校では明治時代から続いてきていた男女別学から男女共学へと変革が行われました。おかげで現在の日本の教育分野では、ジェンダー間に格差はほぼみられません。

対して、政治と経済分野が日本のジェンダー平等度を大きく引き下げる要因となっています。日本では国会議員や閣僚に女性が少なく(政治分野)、労働や賃金などに男女差が大きく、管理職にある女性が少ないこと(経済分野)などが日本が特に遅れをとっている点です。実際、女性の方が多い現場である学校の先生も、管理職的ポジションの「校長」となると女性は全体の30%にも届きません。アメリカでの女性の校長先生の割合がおよそ60%であることと比べるとだいぶ少ないことがわかります。

ジェンダー不平等が生まれる理由は、「男/女はこうあるべき」といった、私たちが社会で活動する中で無意識に刷り込まれた「ジェンダーバイアス」にあるといわれています。水着になった時に男性は胸を出すが女性は胸を隠すもの、というのも実はジェンダーバイアスであり、ドイツのベルリンが公共プールで女性がトップレスになるのを認めたのは、ジェンダー平等を実現するための一つのステップであったといえます。

世界は今、ジェンダーバイアスをなくし、ジェンダーにとらわれない考え方をしようと、「ジェンダーニュートラル」の方向に大きく舵を切っているようにみえます。ジェンダーを区別しないメイクやファッションライン、おもちゃが増え、そして言葉でもMr.やMrs.の区別をやめて、全部まとめてMx. (メックスとかミックスと読む)と表記するような動きが随所にみられるようになってきました。

日本では女医、女流作家、リケジョ、女性社長、女子アナ、イクメンといったようなジェンダーバイアスを生み出す言葉が数多くみられる傾向にあります。「女性の管理職比率を30%に」というような明確な政策目標を掲げることはもちろん大切なことだと思います。しかしこういった何気ない言葉にも日本におけるジェンダー不平等さが表出していることに気づき、おかしいと感じることのできる豊かな「意識の土壌」をつくりあげていかない限り、方々に植えつけた政策も結局は途中で生育障害を起こしてしまい、ジェンダー平等という大樹を育てあげることは到底できないと思ってしまうのですが、さていかがなものでしょうか?

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